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本人による楽曲解説
私は物心ついた時から、いつも死について考えていました。死にたいという意味では決して無く、いつも死というものを意識して生きてきました。
高校生になった頃「メメントモリ」という言葉に出会い、やっと自分が日々考えていたことに名前がついていることを知って、とても安心したことを覚えています。
もともと臆病な私は、自分の意見を言うことが苦手でした。そしていつしか、人のことや人から言われる言葉ばかりを気にして生きることが普通になりました。
自分よりも人を優先して生きることが、自分の生きる使命だと心の底から思っていました。
しかし、そうやって生きているとだんだん自分と外の世界の境目が分からなくなってくるようになりました。
私の手の輪郭がなくなって砂になって消えていく感覚、今見ている世界が本当にあるのか、ないのか、疑ってしまうような。自分が本当に存在するのかすら分からなくなるような、生きている心地のしない日常が続いていました。
それを掬い上げてくれていたのが、いつだって音楽なのでした。
時は過ぎ。
2021年の終わりに、自分にとってセンセーショナルな出来事が起きます。
裏切り、別れ、嘘、その類いの悲しい出来事です。
その出来事が起きたことによって私の思考が大きく変わりました。
「人を優先して生きていこう」
ではなく
「まずは自分の心の声を聞こう」
に変わったのです。
その途端、私を取り巻く環境が大きく変わりました。
自分の心の声をよく聞き、自分を大切にしている人たちが周りにたくさん集まってきたのです。そこには恐怖や悲しみは無くて、助け合い信じ合い、尊敬し合う素敵な世界が広がっていました。
そういう人たちと仕事をしたり、話をしたりすることばかりに溢れた2022年。
ただ当たり前に、平和に過ぎて行く日々の中で、ただ死を想って生き急いでいた自分が嘘のように
今をしっかりと楽しんでいつか訪れる死の瞬間まで笑って生きていこう、という気持ちになれたのでした。
これは現在普及しているメメントモリの意味「死を忘れることなかれ」ではなく、メメントモリの本来の趣旨だと言われている「今を楽しめ」に値すると思いました。
目が覚めたような経験でした。
日々いろんな出来事がありますが、それは生きているから感じられることだと思います。
いいことも、悪いことも。
私はこの1年を生きて、心から人生を楽しむことができました。本当の意味で心から素直に、自分と人と向き合うこともできました。
やっと、自分の声を聞いて自分に嘘をつかずに生きることができるようになった感覚があります。
そしてその生き方の上で私が望むことはなんだろうと考えた時に、浮かんだ事というのが「どうかみんな幸せに生きれていますように、よく眠れていますように。」でした。
やはり人のことでした。自分を大切に生きる私も、人が大好きなままで安心しました。
うんと気持ちが楽になった人生。
今まで起きた全ての出来事に感謝を込めて曲を書きました。
この曲にたどり着いてくれたあなたの人生が、どうかあなたが決めた幸せによって幸せでありますように。
比べたりせずに、自分を愛せていますように。
何故だかわからないけど、心から願っています。
私も幸せに生きていきます。
西野恵未